派遣スタッフが受ける健康診断の内容や手続き方法
派遣スタッフになると、派遣元企業である派遣会社の福利厚生を利用することができます。
福利厚生の中でも、派遣スタッフに特に注目してほしいのが「健康診断」です。
時給制で仕事をする派遣スタッフは、病気で会社を欠勤すると収入が減ってしまいます。
そういった意味でも、派遣スタッフは「体が資本」ともいえる働き方といえるでしょう。
そんな派遣スタッフにとって、健康診断はぜひ活用したい福利厚生の一つなのではないでしょうか。
「派遣なのに健康診断を受けられるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、もちろん受けることは可能です!
今回は、派遣スタッフが受ける健康診断の内容や、申し込み方法についてご紹介していきます。
また、気になるその内容についても、チェックしていきましょう。
派遣会社の福利厚生を利用するのは「当然の権利」
派遣として仕事をしていると、正社員との違いについていろいろと頭を悩ませることも出てくるのではないでしょうか。その中の一つが、福利厚生に関する悩みです。
派遣会社は、派遣スタッフに対してさまざまな福利厚生を用意していることをご存知ですか?
ですが「自分は派遣だから」という理由で、多くの人がその当然の権利を使いにくく感じ、利用しないまま過ごしています。そのように使わないままにされてしまう福利厚生の中には「定期健康診断」も含まれています。
これから詳しく説明していきますが、派遣スタッフはある一定の条件を満たしていることが前提とはなりますが、健康診断を受けることができる権利を持っているのです。
さまざまな施設の優待利用や、スキルアップ研修などの制度も福利厚生としては魅力的です。
ですが、派遣スタッフの健康管理の一環として用意されている定期健康診断は、派遣会社としてもぜひ活用してほしい福利厚生の一つ。
法で定められているという背景もありますが、それ以上に派遣会社としてもしっかりと活躍してくれているスタッフには、いつまでも健やかに仕事を続けてほしいと願っています。
健康に仕事を続けたい派遣スタッフと、優秀なスタッフが安心して働き続けられるように健康管理もきちんとしてほしい派遣会社。
双方にとって、用意されている健康診断を受診することは、とても大切なことといえます。自分が条件を満たしていて、健康診断を受診できる場合はぜひ受けるようにしましょう。
ただ、正社員とは違い、派遣スタッフの場合はさまざまな疑問があると思います。
「健康診断を受けるのには1日がかりになるけれど、欠勤扱いになるの?」
「健康診断で欠勤って、派遣先企業には嫌な顔をされないだろうか」
「交通費はどうなるのかしら」
ここからは派遣会社にはちょっと質問しにくいような細かな疑問について、詳しくご紹介していきましょう。
派遣スタッフは健康診断を受けることができる?
まずは、派遣スタッフが健康診断を受けることができるかどうかについて、見ていきます。
最初にしっかりと理解しておいてほしいのは、派遣スタッフであっても「健康診断を受けることは可能だ」ということ。
先ほども少しご紹介しましたが、従業員を雇い入れている企業に対しては、従業員に必ず健康診断を受けさせなくてはならないというルールが、法で定められています。
職場における従業員の安全と健康を守ることが、雇用主には労働安全衛生法で定められているのです。
正社員の場合とはやはり多少の違いがありますが、派遣スタッフに対しても、法律上は基本的に同様のスタンスとなっています。
正社員でなくとも、スタッフを雇用している派遣会社には、派遣スタッフの職場における安全と健康を守ることが義務付けられているのです。
ですから、派遣スタッフだからといって健康診断受診を諦める必要はありません。
むしろ、当然の権利であり、健康診断を実施していない派遣会社は「本当に信頼できる派遣会社ではないかもしれない」と考える必要があるかもしれません。
常時雇用の従業員に対する企業の義務とは
ここから先は、派遣スタッフとして仕事をする上で、知識として知っておいたほうがいいことをご紹介しておきます。
先ほども少し触れた通り、従業員を雇用している企業に対しては、労働安全衛生法に基づいて従業員に対して健康面及び安全衛生面において法的に責任を負うことが定められています。
法的な責任の一つとして挙げられるのが、常時雇用する労働者に対して、雇い入れ時及びその1年ごとに1回の定期健康診断を実施する義務のこと。
この労働安全衛生法66条にある「健康診断の義務付け」を怠った場合、また120条では健康診断自体を怠った場合、事業者は50万円以下の罰金を科せられることになっています。
そのほかにも特定業務従事者の健康診断、海外派遣労働者の健康診断、給食従業員の検便など、さまざまな健康診断が義務付けられています。
派遣スタッフの場合は?
そうなると「常時雇用ではない派遣スタッフはどうなるの?」と不安に思われるかもしれません。ですが、安心してください。
派遣スタッフの場合も、派遣労働者の権利を守るために「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護党に関する法律」というものが定められています。
この第45条において、派遣スタッフの安全衛生確保義務に関して、労働安全衛生法が適用されると明記されています。
つまり、派遣スタッフと雇用契約を結んでいる派遣会社は、派遣スタッフに対して安全衛生及び健康確保のため、一定の基準を満たす派遣スタッフに対して健康診断実施が義務付けられているのです。
また、派遣会社が実施した健康診断の結果に関しては、派遣先企業に開示してはいけないこととなっていますので、万が一なにか疾病が見つかったとしても、派遣先企業に知られるようなことはありません。
安心して、健康診断を受けることができる制度といえるでしょう。
ただし、健康診断の結果を所轄の労働基準監督署に届け出ることは、義務付けられています。
もし異常が見つかったら?
健康診断の結果、異常所見が見つかり、医療措置が必要となってくるケースもあり得るでしょう。
そういった場合、医師の意見のもと派遣会社と派遣先企業が必要に応じて就業環境を配慮することが義務付けられています。
たとえば、就業場所異動や労働時間短縮など、派遣スタッフの負荷を減らすための努力を行うことなどが求められるのです。治療や通院で欠勤しなくてはいけない場合、休業をするように指示されることもあります。
健康診断結果は、個人情報です。
「派遣先企業には知られたくない」と考える方も、いらっしゃるかもしれません。基本的には、健康診断の結果を派遣先企業に開示するようなことはありません。
ですが、治療などが必要となった場合は、話が違ってきます。治療は、派遣先企業の理解を得ることが必要となります。
そういった場合は、派遣会社と派遣先企業、そして派遣スタッフが相談しながら、治療を進めていくことが必要となることもあり得るのです。
通院治療とまでは行かなくても、健康診断で健康を維持するために特別な対処が必要となった場合、派遣会社に対して医師や保健師から保健指導を実施することも考えられるでしょう。
そうなった場合は「プライバシーだから」と意固地になることなく、素直に相談し、理解を求め、通院や治療などに対して協力をお願いするようにしましょう。
「派遣スタッフだから、病気になったらすぐに違うスタッフに切り替えられるのではないか」「病気が原因で、退職をすすめられたらどうしよう」と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、制度としては派遣スタッフの健康を守るために、きちんと整えられています。
必要以上に心配することは、ありません。
ただ、派遣スタッフは有期雇用という働き方を選んでいるため、場合によっては次の更新のタイミングでほかのスタッフに切りかわることになるということも、あり得ない話ではありません。
派遣スタッフは、派遣先企業の人員不足を解消するために導入される人材です。
そのスタッフが、病気治療のためとはいえ長期欠勤するとなると、派遣先企業にとっても困ったことになってしまいます。そのあたりは派遣会社、そして派遣先企業と相談の上、動くようにしましょう。
ただ、人員不足のところに穴が開いてしまうと、派遣会社としても対応を考えざるを得なくなってしまうということも、理解しておいたほうがいいでしょう。
もし、病気が見つかって、それが原因で一度契約を更新しないということになった場合は、すみやかに治療をし、再び派遣スタッフとして仕事ができるように努めればいいのです。
派遣先企業が派遣スタッフの健康診断を行うケースも
また、例外的に派遣先企業が派遣スタッフの健康診断を行うことがあります。それは「特殊健康診断」と呼ばれるものです。
特殊健康診断とは、一般健康診断とは違い、有害業務に携わっている労働者に対して行われるものとなります。この項目に関しては、また後程詳しく説明します。
派遣スタッフとして仕事をしていると、福利厚生を利用しにくいイメージがある方も多いようです。
ですが、派遣スタッフは「労働安全衛生法」や「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」など、法によって守られています。その一つが、定期健康診断の実施です。
派遣会社としても、派遣スタッフには健やかな状態で、そのスキルや知識をしっかりと活かして職場で活躍してほしいと願っているもの。
健康診断受診条件を満たしている人は、ぜひ受診するようにしましょう。
ただ、ポイントとなるのは「ある一定の基準」という文言ではないでしょうか。その基準とはどのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。
派遣スタッフが健康診断を受けることができる条件
それでは、派遣スタッフがどのような条件をクリアしていたら健康診断を受けることができるか、チェックしていきましょう。
派遣会社では、それぞれの会社で健康診断を受けることができる基準というものを設定しています。
「1年以上、継続して就業しているスタッフ対象」「就業1年目に関しては6ヶ月以上、1週間に30時間以上従事しているスタッフ対象」など、各派遣会社で健康診断受診規定が定められています。
「派遣スタッフとして仕事をしながら、健康診断はきちんと受けたい」という希望がある場合、派遣会社に登録する際にあらかじめどのような条件になっているか、確認しておくことをおすすめします。
基本的には、1年を超えて就業している方が対象となっていることが多いようです。
契約期間が1年となっており、1年で退職することが決まっている場合は、健康診断を受診できないケースも。就業期間などの条件は、派遣会社によって異なります。
「ぜひ、健康診断を受けたい」と考えている方は、派遣登録時に派遣会社に確認するようにしましょう。
健康診断をしっかり受けて安心して仕事に取り組める毎日を
派遣会社が派遣スタッフに健康診断を受診させることは、義務とされています。
ですから、対象となる方には、派遣会社から健康診断の案内がくるようになっているのです。健康診断の案内が来たら、すみやかに申し込みを済ませるようにしましょう。
最後に、勘違いされる方もいらっしゃるのですが、派遣会社に登録しているだけでは、健康診断を受診できる対象とはなりません。
「登録して1年以上経つのに、健康診断の案内がこない」
そのように思われている方が、意外にも多くいるようです。
登録だけして、まだ仕事をスタートしていない状態の場合は、健康診断受診対象者ではありません。派遣登録し、派遣先企業での就業をスタートして1年経って初めて健康診断受診対象者となるのです。
健康診断に関しては、明確なルールとしては「派遣会社は派遣スタッフに健康診断を受診させる義務がある」ということのみとなります。
受診するための条件や、受診項目、受診日の休暇扱いなどは、派遣会社によって規定が異なります。少々複雑で、理解が難しい部分もありますから、よく分からない場合は派遣会社に質問してみることをおすすめします。
派遣スタッフが受ける「一派健康診断」の内容はどのようなもの?
派遣スタッフが受ける必要があるとされている健康診断は、どのような内容のものとなっているのでしょうか。以下の項目が、定期健康診断として定められています。
- 自覚症状及び他覚症状の有無に関する検査
- 身長・体重・腹囲・視力及び聴力
- 血圧測定
- 胸部X線検査
- 心電図検査
- 尿検査
- 貧血検査
- 血糖検査
- 血中脂質検査
- 肝機能検査
場合により、胸部X線検査、貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査、心電図検査は実施されないこともあります。検査内容が気になる場合は、あらかじめ派遣会社に確認しておくようにしましょう。
年に一度、定期健康診断を受診することで、自分の健康状態を正しく把握しておくことはとても有効なこと。
派遣社員の場合は、欠勤するとその分マイナスされてしまう時給制となりますから、経済的な面でも、職場や派遣会社に対する迷惑を考えても、健康管理には気を付けたいもの。
継続して健康診断を受診することで、病気の早期発見にもつながります。
半日は拘束されてしまいますし、絶食が必要だったりといろいろと大変な面もありますが、自分の体調をしっかりと理解するよい機会だと考えましょう。
一般健康診断の項目だけではなく、もっと詳しい検査を希望する場合は、費用を自分で支払うことになりますが、検査項目を追加することも可能です。
年齢や性別によって、受診したほうがいいのでは?と思われるような項目に関しては、積極的に受診することをおすすめします。
仕組みがよく分からず、追加できるか分からないという場合は、派遣会社に自己負担で追加できる項目がないか、確認してみるといいでしょう。
年に一度の健康診断ですから、いい機会だと思って、しっかり検査を受けることをおすすめします。
派遣スタッフの健康診断はどこの管轄になる?
厚生労働省が派遣会社に義務としている派遣スタッフの健康管理に関しては、派遣先企業と派遣会社が連携を取って実施する必要が出てきます。
なぜかというと、実際に仕事をしているのは派遣先企業であり、派遣先企業の業務状態にどうしてもよってしまう面があるためです。
では、健康診断は派遣先企業、派遣会社どちらに科せられている義務なのでしょうか。一般健康診断実施義務が課せられているのは、派遣会社になります。
ですから、派遣会社の福利厚生制度を利用して、派遣スタッフは健康診断を受診することになります。
また、派遣先企業においてある特定の業務に従事している派遣スタッフに対しては、派遣先企業の責任において特定健康診断を受診させる義務が発生します。
派遣先企業が責任を負う特殊健康診断とは
では、派遣先企業が責任を負う特殊健康診断とは、どのようなものでしょうか。特殊健康診断を受診する必要があると定められているのは、以下の通りです。
- 高気圧業務
- 放射線業務
- 特定化学物質業務
- 石綿業務
- 鉛業務
- 四アルキル鉛業務
- 有機溶剤業務
派遣スタッフが、派遣先企業で上記いずれかの業務に従事している場合は、特殊健康診断を受診する必要があります。では、特殊健康診断とはどのようなことを行うのでしょうか。
簡単に該当者となる条件と、健康診断とその内容をご紹介します。
じん肺健康診断
粉じん作業に従事した労働者に対して実施。終業時、定期、定期外、離職時に行う。
有機溶剤中毒予防健康診断
有機溶剤業務に従事している労働者に対して、雇い入れ時あるいは配置換えの際6ヶ月以内に1回の健康診断を行う。
鉛健康診断
鉛業務に従事している労働者にたいしては、雇い入れ時あるいは配置換え時6ヶ月以内に1回の健康診断を実施する。
四アルキル鉛健康診断
四アルキル鉛等業務に従事している労働者に対して雇い入れ時、当該業務への配置換え、及びその3ヶ月以内に1回、定期的に健康診断を実施する。
特定化学物質健康診断
特定化学物質を取り扱っている労働者に対しては雇い入れ時、当該業務への配置換えの際、及び6ヶ月以内ごとに1回定期に健康診断を実施。過去に特定化学物質を取り扱った経験がある労働者に関しても、6ヶ月ごとに同様の健康診断を実施することが義務付けられている。
高気圧作業健康診断
高圧室内業務、及び潜水業務に従事している労働者に対して、雇い入れの際または当該業務への配置換え時6ヶ月以内に1回の健康診断を実施。
電離放射線健康診断
放射線業務に従事している労働者に対して、雇い入れの際及び当該業務への配置替えのとき、及びその後6ヶ月以内ごとに1回、定期に健康診断を実施する。
以上のような特殊業務に派遣先企業で従事している場合、その健康診断は派遣先企業が責任を負うことになります。一般健康診断は派遣会社が、特殊健康診断は派遣先企業が責任を負うと理解しておきましょう。
派遣スタッフが健康診断や人間ドックを受ける場合の費用は自己負担になるのか?
派遣スタッフが健康診断や人間ドックを受診する場合、費用は誰が出すことになるのでしょうか。先ほどご紹介した一般健康診断の項目については、派遣会社が負担します。
ただ、オプションとしてそのほかも詳細に検査してもらいたい場合は、実費を支払えばその他の検査も受けることができます。人間ドックになると、費用がかなりかさむことになりますが、健康管理のためには必要経費と持って、受診するのもいいでしょう。
すべて自己負担にならないだけでも、ありがたいものですよね。
余裕があれば、オプションを追加して詳しく健康診断や人間ドックを受けるのもいいでしょう。いつまでも健康に、派遣スタッフとして活躍するためのメンテナンス費と考えれば、安いものかもしれません。
派遣スタッフの健康診断はいつ受けることができる?手続き方法についても知りたい!
「派遣スタッフは、いつ健康診断を受診できるの?」
「手続きが、なんだか面倒そう」
自分から調べないと把握できないことが多く、つい面倒に感じてしまいがちな派遣スタッフの健康診断。ですが、無料で受診することができるのですから、ここは気合いを入れて頑張ってもいいのではないでしょうか。
ここでは、派遣スタッフの健康診断受診への流れについて、ご紹介します。
派遣会社からアナウンスされる
まず、定期健康診断の季節になると、派遣会社から健康診断を受診できる権利を持つ派遣スタッフに対して、健康診断のお知らせが送られます。
これは、メールで送付される場合、ハガキの場合、マイページ上のメールとさまざまな形で届けられます。
派遣会社によって、健康診断を開催する時期も異なります。
「ぜひ健康診断を受診したい」と考えている場合は、派遣登録説明会時に「毎年何月ごろに健康診断が実施されているのか」「アナウンス方法はどのようなものか」を確認しておいてもいいでしょう。
健康診断について、設定されている申込期間に、健康診断を実施している病院へ派遣スタッフは直接申し込みをします。
申し込み方法は、派遣会社から送付される健康診断申し込みハガキや、サイト上にあるフォームなどに、自宅や職場から近い病院を選んで、記入します。
日時についても、第1希望から第3希望くらいまでを記入して送付すると、病院から健康診断日時決定の通知が送られてきます。
ここまでで、健康診断申し込み完了です。
健康診断の申し込みができたら、当日までに問診票やアンケート、必要に応じて検便や前日夜の食事の調整などを行い、当日を迎えましょう。
よく、健康診断のためにダイエットをしたり、禁酒・禁煙をするという話も耳にします。
多少は心がけとして素晴らしいのですが、あまりにも日常生活とは異なる生活を送った上で健康診断を受診しても、正確な数値が測れないことも考えられます。
極端に節制せず、日常生活を送りながら当日を迎えるのが、リアルな結果を見ることにもつながります。どの程度、どのようにすべきか、よく考えて準備を整えましょう。
派遣スタッフは健康診断を必ず受けないといけないのか?
派遣スタッフは、健康診断を必ず受診しなくてはいけないのでしょうか。健康診断に関しては、マストということはありません。
ただ、健康であることも派遣スタッフの責任の一環ともいえます。
現在活躍してくれている派遣スタッフが、ある日突然病気になってしまったら、派遣スタッフ本人ももちろんですが、派遣先企業や派遣会社にとっても大きなダメージとなります。
そういったリスクを軽減させるためにも、定期健康診断はぜひ受診するようにしましょう。
ただ、定期健康診断に関しては派遣会社サイドとしても、軽くアナウンスする程度ということが多く、気づいたら受付期間が終わっていたということもよくあるようです。
メールなどで個別に連絡があればまだいいのですが、場合によっては派遣会社のマイページにログインして初めてその情報がチェックできるというケースも。
就業中は忙しく、なかなかこまめにホームページやマイページをチェックできないという派遣スタッフの方も多いようです。
「せっかく健康診断をしているなら、ちゃんと教えてくれればいいのに」
と思われるかもしれません。
ですが、どのような福利厚生であっても、基本的に自分たちからアクションを起こさなくては利用できないものが多いですよね。
しっかりと活用するためには、アンテナを張って、おくことも大切なのです。
少々面倒でも、自分の健康維持のため、こまめにチェックして、しっかりと受診するようにしましょう。
派遣スタッフが健康診断を受け忘れたらどうなるのか?
派遣スタッフが健康診断を受診し忘れた場合、なにか罰則などはあるのでしょうか。「受診し忘れ」といっても、二通り考えられます。それぞれのケースを見ていきましょう。
予約し忘れによる受診忘れ
一つ目は、派遣会社から健康診断のお知らせが送られてきたにも関わらず、予約をするのを忘れてしまった場合。
この場合は、残念ながらその年度の健康診断を受けることはもうできませんが、特別罰則が科せられるということはありません。
「健康診断のお知らせを無視して受診しないと、派遣会社に怒られるのでは?」と思われる方もいらっしゃるようですが、結論からいうと、そんなことはありません。
派遣会社は、どの派遣スタッフが健康診断を受診しているかを把握してはいます。
ですが、受けているから、受けていないからといちいちなにかチェックされるということは、まずありませんので、安心してください。
予約したにもかかわらず当日行くのを忘れてしまったケース
二つ目に考えられるのが、派遣会社からの連絡を受けて病院を予約したにも関わらず、うっかり行くのを忘れてしまったケースです。
この場合、キャンセル料などが発生することも考えられます。対応は、派遣会社によって違ってきますので、もしうっかり忘れてしまった場合は派遣会社に相談するようにしましょう。
また、予約をし直して受診したい場合は、費用は自分で出すことになります。
健康診断を受けることで、健やかな状態で、しっかりと仕事をこなすこともできます。精神的にも「健康診断をきちんと受診している」ということは、プラスに作用するのではないでしょうか。
それに、なんといっても無料ですから、これは受けない手はありません。少々面倒でも、有給を消化しなくては受診できなくても、健康診断は受けるべき価値あるもの。
派遣スタッフにとって、元気に仕事を続けられる状態を保つことは、仕事の一環ともいえます。
また、そこまでする派遣会社はあまりありませんが、雇用主である企業、つまり派遣会社は派遣スタッフに対して、健康診断の受診を職務上の業務命令として命ずることもできます。
受診を拒否した派遣スタッフには、懲戒処分を行うことも可能です。
そこまで真剣に派遣スタッフの健康を考えてくれる派遣会社だとしたら、それはとても手厚い派遣会社といえるのではないでしょうか。
そのような事態に陥らないために、派遣スタッフサイドも健康診断のアナウンスが来たら必要な手続きをして、きちんと期日までに受診するようにしましょう。
健康診断のときも時給や交通費は出るのだろうか?
健康診断を受ける際、時給や交通費はどのようになるのか気になりますよね。
まずは、時給の扱いについてみていきましょう。健康診断を受けるとなると、それ相応の時間が必要となります。そうなると気になるのは、健康診断を受ける日は欠勤になるのかということではないでしょうか。
派遣スタッフは、時給制で仕事をしています。ですから、1日欠勤してしまうと、その分お給料に響いてしまうことになるのです。
派遣スタッフが健康診断を受けるために欠勤、もしくは半日お休みする場合の扱いについては、派遣会社により異なるというのが実情です。
- 欠勤扱いになり、無給となる
- 出勤扱いになり、給与は通常通り支払われる
- 有給扱いになり、有給休暇を消費する形で給与は支払われる
この3つのパターンが、多いようです。
お給料が支払われないのは、派遣スタッフにとって痛いもの。ですが、有給休暇が残っている場合は、ほとんどの場合有給休暇をあてるのが一般的となっています。
ですから、無給の欠勤となるケースは少ないといえるでしょう。派遣会社の規模や、考え方によって、このあたりの制度は変わってきます。
「派遣会社を選ぶ際に、そんなことまで考えない!」という方も多いようですが、実際に仕事を続けてみると大事なポイントであることが分かるはず。
福利厚生についての質問を、派遣登録時にするというのは難しい面も確かにあります。「こんなことを聞いて、ずうずうしく思われないかな」とためらうこともあるでしょう。
ですが、派遣会社が「この人は派遣スタッフとして雇用するにふさわしい人材か」と見定めるように、派遣スタッフサイドとしても「この派遣会社と長くお付き合いすることができるか」ということを見極めることも必要です。
遠慮しすぎず、きちんと確認する姿勢は、決してマイナスにはなりません。
むしろ「真剣に派遣スタッフとして、仕事を継続したいと考えている」と評価されることも。遠慮しすぎることなく、大切だと思うことは、派遣登録説明会の際にしっかりと確認するようにしましょう。
「欠勤になりたくないから、健康診断を受けない」と思われる方もいらっしゃるようですが、派遣スタッフにとって体は資本。時給制で仕事をしているからこそ、健やかに働くことができる状態を維持することが、非常に重要になります。
長い目で見たときに、どちらのメリットが大きいか、よく考えることをおすすめします。
交通費は支給される?
続いて、気になる健康診断時の交通費についても見ていきましょう。健康診断は、一般的に会社ではなく自分で選んだ病院に行くケースが多くなります。
「家の近くがいい」
「この病院は行ったことがあるから、安心」
「会社の近くの方が便利」
「通勤途中なので、生きやすい」
さまざまな理由で、健康診断を受ける病院を選ぶことになると思います。
ただ、ここで一つ覚えておいてほしいことがあります。病院までの交通費に関してですが、派遣会社からは支給されないケースが多いようです。
「有給使って、交通費使って、健康診断に行かないといけないの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
ですが、派遣スタッフの場合、派遣先企業までの交通費も支払われないケースが多くあります。ましてや、自分の健康のために行く健康診断ですから、その交通費までは支給されないというのが一般的です。
場合によっては支給されるケースもありますが、交通費に関しては「基本的に支払われない」と理解しておけば間違いないでしょう。
もし、支給されたとしたら、それはとてもありがたいこと。派遣スタッフを大切にしてくれる派遣会社に感謝して、しっかりと仕事をし、派遣会社に貢献できるよう努めましょう。
まとめ:派遣スタッフが健康診断を受ける場合の注意点
健康診断は、基本的に無料で受診することができます。
派遣会社としても、派遣スタッフが健やかに就業することができるよう、実施している取り組みの一つです。派遣スタッフが実際に受診したかどうかに関しては、派遣会社も把握しています。
ですが、もし受診していなくても「受診してください!」と何度もお知らせがくるようなことはありません。ここが、正社員と派遣謝意の大きな違いではないでしょうか。
基本的に「健康診断を用意していますので、受けたかったら受けてもいいですよ」というスタンスなのです。もし受診しなくても、咎められることはありません。
ただ、くどいようですが、せっかく無料で健康診断を受けられるチャンスがあるのですから、ぜひ受診しましょう。
もし欠勤扱いになったとしても、たった1日お休みするだけで、自分の健康状態を無料でチェックできるのですから、ありがたいもの。
健康診断は、面倒さもありますし、気が重い面も否めません。
ですが、体も心も健やかな状態で、派遣先企業で活躍し続けるために、ぜひ受診することをおすすめします。万が一病気が見つかっても、早期発見であればきちんと治療し、再び派遣スタッフとして活躍することも可能です。
健やかな心と体で、派遣スタッフとして活躍すること――それは、派遣先企業、派遣会社、そして派遣スタッフ自身にとっても、とてもプラスに作用することといえるでしょう。
そのための投資だと思って、健康診断は必ず受診するように心がけてくださいね。
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