派遣の抵触日の仕組みを知ろう!派遣期間制限の詳細

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派遣の抵触日の仕組みを知ろう!派遣期間制限

「抵触日」という言葉を知っていますか?派遣は、基本的に有期雇用、つまり定められた期間の中で就業するというスタイルの働き方です。さらに、その限られた期間というのが決められているということをご存知ですか?

同じ職場に勤務していい期間というのが「最大3年」と定められているのです。この「3年」という期間を超えた日の翌日を「抵触日」と呼んでいます。「同じ職場で更新し続けて勤務することはできないの?」「抵触日を超えて勤務すると、何か問題があるの?」耳慣れない言葉に、さまざまな疑問や不安を感じる方も多いのではないでしょうか。」

ですが、抵触日は実は派遣スタッフにとって、心強い味方ともいえる存在です。今回は、派遣の抵触日の仕組みについて、詳しくご紹介していきましょう!正しく理解しておけば、怖いことはありません。

まずは「派遣の抵触日」の仕組みを理解すべし!

まずは、派遣の抵触日について、その仕組みを分かりやすく解説していきましょう。冒頭でも少し触れた通り、派遣は同じ職場で勤務できる期間は「最大で3年」と定められています。その期限を越えた翌日が「抵触日」です。抵触日、と言われてしまうと、なんだか怖い印象を受けるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

抵触という言葉は、法律や決まりに差し障るという意味を持っています。このような少し強い表現を使われてしまうと「一体何に抵触するの?」「どんな問題が生じるの?」と不安になりますよね。それでは、具体的に抵触日が設定された理由や、基本的な概要など、抵触日の仕組みについてみていきましょう。

派遣の「抵触日」とはどんなもの?

労働者派遣法において、派遣社員は同一の勤務先で働くことができる期間制限が設定されています。これを「派遣期間制限」といいます。その期間というのが「3年」です。
「派遣は3年縛りがある」などという言葉を、ニュースなどで見聞きしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。これについてはまた後で詳しく説明しますが、抵触日というのは、派遣期間制限である3年の期間を超えた翌日を指すということを、まずは覚えておきましょう。抵触日が4月1日の場合、3月31日が派遣スタッフとして勤務可能な最後の日ということになります。

抵触日をオーバーして勤務を継続することは、原則として、禁じられています。抵触日というのは「この日を超えて同一の派遣先企業の部門で勤務を続けると、労働者派遣法に抵触する日」ということ。ですから、派遣スタッフにとっても、派遣会社にとっても、派遣先企業にとっても「抵触日」というのは非常に重要な意味を持っているといえるでしょう。

「抵触日」が設定されるようになった経緯

せっかく自分にぴったりした働きやすい派遣先企業と出会えたのなら、そのまま継続してこの仕事を続けたいと派遣スタッフが考えるのは、ごく自然なこと。同様に、派遣先企業としても仕事に慣れているこの派遣スタッフが継続して勤めてくれたら、とても助かるのになあと思うものではないでしょうか。それなのに、なぜ抵触日が設定されているのでしょう。

派遣スタッフというのは、もともとは人材不足が発生した際に、臨時にスポット的にスタッフを雇いたいという企業のニーズに応える形で誕生した就労スタイルです。あくまで臨時スタッフであり、常時雇用ではない、ということ。こういった背景があるため、3年以上継続して派遣スタッフを勤務させたいと考えている派遣先企業は、人材不足が解消されていない状態が継続しているということになります。

人材不足状態が継続しているのであれば、派遣スタッフを正規雇用にしてもいいのではないか?という理由から、この「抵触日」は設定されるようになりました。これには、直接雇用にしてほしいという国としての意図も存在しています。そういった事情があって、設けられたのが「抵触日」なのです。

派遣スタッフという不安定さのある身分のまま、将来に対する実権を派遣先企業が掌握しているような状態が3年以上も継続することは、望ましくないとされています。ですが、継続して派遣スタッフとして勤務するということは、結果的にそういうことになってしまいますよね。

それを避けるために、設定された日なのです。抵触日に関して「なぜ長く務めてきた派遣先企業から、わざわざ離れなくてはいけないのか」と不満を感じられる方もいらっしゃるかもしれません。派遣スタッフという雇用形態を敢えて選んでいる方にとっては、ライフワークバランスを考えた上でのチョイスであり、正社員雇用を望んでいるとは限りません。

それなのに、この抵触日が設定されたことで、3年で区切りを迎えなくてはならないなんて――と、理不尽に感じられる方もいらっしゃるでしょう。ですが、そういった方ばかりではありません。派遣スタッフとして仕事をしている人の中には、正規雇用を望んでいる人も多くいます。国としては派遣期間制限である3年という区切りを設けることにより、そのタイミングを上手に活用して正規雇用を促進してほしいという狙いがあるのです。

抵触日は「個人」と「事業所」それぞれに存在する

抵触日について、なんとなくイメージしていただけたでしょうか。さて、この抵触日ですが、派遣スタッフ個人に対して設定されたものと、勤務先である派遣先企業に対して設けられたものがあるということを、ご存知ですか?まずは、個人単位の抵触日について、説明しましょう。

個人単位の抵触日について

個人単位の抵触日は、先ほども触れた通り「派遣スタッフが同一の組織に勤務するのは、最長で3年まで」というものになります。同一の組織とは「グループ」や「課」が該当します。つまり、一人の派遣スタッフが、ある課で継続して3年以上勤務してはいけない、ということになるのです。

業務としての類似性があるか、関連性はどうか、組織のリーダーが業務配分や労務管理上の指揮監督権限を有しているかといった点から、実態に即した形で「同一グループか否か」ということは判断されます。では次に、事業所単位の抵触日について、見ていきましょう。

事業所単位の抵触日について

事業所単位の派遣期間制限においては「同じ派遣先企業に対して派遣できる期間、つまり派遣可能期間は3年が限度」と定められています。この派遣期間制限が切れた翌日が、いわゆる「抵触日」となるのです。

個人単位の派遣期間制限と事業所単位の派遣期間制限と関係性について

個人単位の派遣期間制限と、事業所単位での派遣期間制限にずれがあった場合、どちらが有効となるのでしょうか。結論から言うと、事業所単位での派遣期間制限が優先されることになります。この説明だけではイメージするのが難しいと思いますので、具体的に例を挙げてみましょう。

例えば、2018年4月1日からある派遣会社が派遣先企業に対して、派遣スタッフを派遣していたとします。この時点で、事業所単位の派遣期間制限は2021年3月31日までとなりますね。ですが、2019年4月1日で派遣スタッフの入れ替えがあったとしましょう。

そうなると、新しいスタッフに対する派遣期間制限は、2022年3月31日です。この場合、派遣スタッフは、本来であれば個人単位の派遣期間制限となる2022年3月31日まで、3年間は派遣スタッフとして働くことができます。ですが、派遣期間制限は事業所単位のものが優先されるため、実際には2021年の3月31日に派遣期間制限となり、2021年4月1日に抵触日を迎えてしまいます。「どうして」と不満の声も聞こえてきそうですが、これはルールとして定められているものですので、仕方のないこと。割り切って理解しましょう。

いざ抵触を迎えそうになった時、どうすればいい?

抵触日は、どうにもならないものであるということをお分かりいただけたでしょうか。それでは、抵触日を迎えてしまった時、考えられる選択肢についてみていきましょう。選択肢は、三つあります。

1)抵触日を迎えた場合、派遣先企業の同一の部署で同じ業務内容の仕事を継続することは不可となります。
派遣会社に依頼して、他の派遣先企業を紹介してもらうようにしましょう。
これまで、継続して勤務する中で身に着けてきたスキルやキャリアを活かして、活躍できる場が見つけてほしいとの旨を伝え、自分でも積極的に求人情報をチェックしましょう。

2)派遣先企業から「抵触日以降も継続して勤務してほしい」と要望を出してきた場合は、派遣先企業から直接雇用される形になります。
この選択肢に関しては、派遣先企業の意向だけではなく、派遣スタッフの同意も必要となります。
ただし、この場合ひとつ注意が必要です。
「直接雇用」といっても、パート社員や契約社員などの可能性もありますから、直接雇用の依頼が来た場合には雇用条件に関して、しっかりと確認する必要があるといえるでしょう。
双方の合意を得られた場合は、抵触日からは派遣会社を介さずに、企業とスタッフの間で直接雇用を締結することになります。

ただ、抵触日を迎えたら「仕方がないので、今までどうもありがとう」と契約満了になるケースも当然あり得ます。
3年経ったからといって、直接雇用されるとは限らないということも、理解しておきましょう。

3)同じ派遣先企業内で別の課に移動して勤務する
どうしても同じ派遣先企業で仕事をしたい場合、課を異動すれば継続して勤務することも可能です。ただ、別の課に移動するということは、それまで身に着けてきたキャリアやスキルを活かすことができない可能性もあるということ。せっかく身に着けたキャリアやスキルですから、これはかなりもったいないことといえるでしょう。「この会社に勤めたい」のか、それとも「このスキルを活かして仕事をしたい」のか、よく考えましょう。

抵触日を超えても同じ派遣先企業での勤務を続けるには

3番目に出てきた「同じ派遣先企業内で別の課に移動して勤務する」に関して、補足です。抵触日を迎えても、どうしても同じ派遣先企業での勤務を続けたいという場合、部署を異動するという方法があります。

労働者派遣法においては「派遣先の事業所における同一の組織単位で、3年以上働くことはできない」と定められています。先ほどの項目でも出てきた「組織」という言葉ですが、こちらは「課」や「グループ」のこと。ということは、部署を異動すれば、同じ派遣先で勤務することに問題ありません。どうしても同じ企業で仕事をしたい、という場合は、課を異動しての勤務を希望することも可能なのです。

ただ、同じ派遣先企業であったとしても、派遣される部門が変われば、仕事内容は当然大きく変わってしまいます。部署が変わり、仕事内容も変わったとしても、継続してその派遣先企業で仕事を続けたいかどうかを、よく検討することが必要です。

「派遣先企業が変わったとしても、今の職種の仕事を続けたい」と考える場合は、同一の派遣先企業にこだわるのではなく、職種にこだわって次のお仕事を派遣会社に紹介してもらうようにしましょう。また、希望したからといって、必ずしも同じ派遣先企業に派遣の仕事があるとは限りません。そのあたりも、理解しておきましょう。

例外的に派遣期間制限を受けないケースも

ただし、派遣期間制限を受けないケースもいくつか存在します。ご紹介しておきましょう。

派遣会社に無期雇用されている人

最近話題の無期雇用とは、派遣会社に雇用されて派遣先企業に就労する派遣スタッフのこと。登録型派遣とは違い、仕事の有無に関わらず派遣会社から一定のお給料を貰いながら、派遣先企業に派遣されて就労するスタッフのことを無期雇用派遣といいます。
この場合は、期間を定めずに雇用されているわけですから、を受けることはありません。

終期が明確な有期プロジェクトで勤務する人

終わる時期が明確になっているプロジェクトでの就労に関しては、を受けることはありません。

産前産後休業、育児休業、介護休業を取得する労働者の業務を代行する人

こちらも、を受けるまでもなく、代替要員ですから、もともとのスタッフが復帰した際にはその職場から離れることになります。
ですので、を受けることはありません。

1ヶ月の勤務日数が、一般的な労働者の半分以下かつ10日以下である日数限定業務というスタイルで就労している人

60歳以上の人

いずれかのケースに当てはまる場合は、派遣期間制限を受けることなく、派遣スタッフとして就労することが可能です。自分が該当するかどうかを確かめたい場合は、派遣会社に確認してみましょう。

抵触日に関しては基本的に派遣会社と派遣先企業が管理するもの

「抵触日がいつか、よく分からない」「前任者の雇用期間が分からないので、自分の抵触日が分からない」こういった声も、多く聞かれます。ですが、基本的に抵触日に関しては、派遣先企業と派遣会社で管理するものと考えて問題ありません。ただ、仕組みを知っておくことは、派遣として仕事をする上で役立つ面もあります。ここで、簡単にご紹介しておきましょう。

派遣先企業から派遣会社へ抵触日に関する通知義務がある

派遣先企業は、派遣契約を締結した際、派遣会社に対して書面にて事業所単位の抵触日を通知しなくてはならないという決まりがあります。書面というのは、電子メールやファックスなどでの送信も含まれます。

たとえば、ある派遣先企業がAさんという派遣スタッフを受け入れた後、2年後にBさんという派遣スタッフを受け入れたとしましょう。その場合、抵触日はAさんを受け入れてから3年ということになります。ここまでは先ほども軽く触れましたが、こういった場合抵触日に関する通知はいつされるべきなのでしょうか。

Aさんを受け入れた時点で、事業所単位での抵触日に関して、派遣先企業がすでに派遣会社に通知をしていれば、基本的にその後改めて通知をする義務はありません。派遣会社がその通知をしっかりと管理していれば、問題ないということになります。

派遣スタッフにはどのように知らされるもの?

それでは、派遣スタッフにはどのようにして抵触日が告知されるのでしょうか。派遣会社は、派遣契約を締結した時に、派遣スタッフに対して抵触日を告知しておく必要があります。契約時に交わされる就業条件明示書に、抵触日が記載されているのをご存知でしょうか。ここが、重要なポイントとなります。

抵触日に関して、契約時にさらっと説明されるケースが多いのですが、抵触日のことを理解していないとそのまま流してしまうことも多いようです。派遣会社のスタッフによっては、抵触日に関して触れずに話を進めることもあり得ますので、派遣スタッフ本人も契約時にはしっかりとチェックしておくようにしましょう。

チェックするためには、あらかじめ「抵触日」というものの存在を知っておくことが必要です。派遣として仕事をすることになったら、頭の片隅に置いておくようにしましょう。 もし、自分の抵触日が分からなくなってしまった場合は、派遣会社の担当営業スタッフに問い合わせるというのも、一つの方法です。

派遣の抵触日を迎えても延長は可能なのか?

派遣の抵触日を迎えてしまった場合、延長することは可能なのでしょうか。結論からいうと、個人単位での延長は、基本的に不可となっています。派遣先企業、派遣スタッフ、双方の合意がある場合は、先ほどもご紹介した通り直接雇用という形で継続することは可能です。

事業所単位での延長は可能

派遣先企業が、同一の派遣会社から派遣スタッフを継続して受け入れを希望する場合、当該事業所の過半数労働組合に対して抵触日一か月前迄に意見聴取を行うことで、延長が可能となります。延長回数に、制限は設けられていません。この手続きを行うことで、同じ派遣会社から派遣スタッフを派遣し続けることが可能となるということです。

派遣スタッフ個人単位の抵触日は、継続不可です。でも、派遣先企業は同じ派遣会社から3年以上継続して派遣を雇っている、どうして?と思うようなケースは、この事業所単位での延長手続きを行っているということになります。ただ、この意見聴取が正しく行われていないと、派遣期間制限は延長となりません。抵触日を迎えると、その派遣会社からは派遣スタッフを受け入れることができなくなります。正しい手続きを踏まずに抵触日以降も派遣スタッフを受け入れていると、派遣期間制限違反となります。

この話に関しては、事業所単位での派遣期間制限に関わることですので、派遣スタッフサイドとして知識として知っておく程度で大丈夫です。ただ、自分が派遣された先で3年以上継続して派遣されることになった場合に「派遣期間制限はどうなっているの?」と疑問に思うことができる、気づくことができる程度の知識を持っているこるといいでしょう。こういった知識は自分の身を守ることにもつながりますので、知っておくことをおすすめします。

派遣会社が変わって同じ派遣先企業で勤務することは可能?

そうそうよくある話ではありませんが、最初Aという派遣会社から派遣されて、Bという企業で仕事をしていたとします。2年半勤務して退職し、その後Cという派遣会社からたまたま再びBという企業を紹介されて、仕事することになりました。この場合、抵触日はどのような扱いになるのでしょうか。

異なる派遣会社から、たまたま同じ派遣会社を紹介された場合、抵触日はリセットされてゼロからとなるのでしょうか。それとも「2年半勤務経験あり」というのが、そのままシフトしてあと半年後に抵触日を迎えるということになるのでしょうか。

この場合、派遣元である派遣会社が変わったとしても、同じ組織、つまり同じ課で勤務しているので「通算」という形でカウントすることになります。つまり、このケースではすでに2年半勤務しているので、抵触日まで残り半年ということになるのです。

派遣会社が変わることで、抵触日までのカウントもゼロスタートになりそうな気がしますが、残念ながらそうはなりません。もし、派遣会社が変わったとしても、同じ派遣先企業で就業することになった場合は、速やかに新しい派遣会社のスタッフにそのことを伝えましょう。

派遣会社のスタッフとしても、基本的に派遣スタッフにはできるだけ長く勤務してほしいと考えています。ですから、残り半年で抵触日が来てしまうというのは、おそらく想定していない話となるのです。自分の状況を正しく伝えることは、義務といえます。「あの派遣先企業は仕事しやすかったし、このまま内緒でもいいのでは」と、簡単に考えてはいけません。

ただ、派遣先企業での勤務先が、今まで派遣されていた部門とは異なる場合、申告をする必要はありません。とある部門で3年間勤務し、抵触日を迎えたとします。先ほどもご紹介しましたが、抵触日を迎えた後、同じ派遣先企業であったとしても、異なる部門に派遣されることは問題ないとされています。

ですから、派遣される企業で就業経験があったとしても、異なる派遣会社から異なる部門へ派遣される場合は、問題ないのです。したがって、派遣会社に伝える必要も、特にありません。

以前就業していた派遣先に再び派遣されるのは問題ない?

例えば、派遣会社から派遣先企業の営業部門を紹介されたとしましょう。実は、その企業のその部門は、実は5年ほど前に派遣スタッフとして仕事をしていた経験があったとします。当時の退職理由は「抵触日を迎えたため」だった場合、今回再び就労することはできるのでしょうか。

先ほどの話だと、派遣会社が変わったとしても、は通算という形になるということでした。
そのことから考えると、就業経験があり、一度抵触日を迎えた派遣先企業に就業するkとは、もうできないのでは?と思いますよね。ですが、この場合は就業することが可能です。「どうして?」と不思議に思われるかもしれません。これには、抵触日のとあるルールが関係しています。

とあるルールというのは、事業所単位でのでも、個人単位でのでも、3ヶ月と1日期間を置くことで、リセットされるというものになります。3ヶ月と1日というクーリング期間を置けば、どちらの派遣期間制限もリセットされるのです。ですから、数年前に抵触日を迎えるまで務めた派遣先であったとしても、問題なく再び派遣してもらうことが可能となります。

ただ、派遣スタッフ自身のスキルアップやキャリアアップのことを考えた時、クーリング期間後に再びまた同じ部門で勤務するというのは、あまり望ましくないといえるでしょう。慣れた仕事を、慣れた環境で続けるのは、確かに楽な面もあります。ですが、せっかくさまざまな職場を経験し、スキルアップしていくことが可能な派遣という働き方を選んでいるのですから、それではもったいないですよね。

ただ、ストイックにスキルアップを目指すというよりは、生活の一部として安定して仕事ができるほうが望ましいというようなケースもあります。派遣スタッフ一人ひとりのライフワークバランス次第といえますので、自分にとって今、どういった働き方がベストなのかをよく検討するようにしましょう。よく検討した上で、再び同じ職場に派遣されるというのも、もちろんアリなのです。

派遣の抵触日の対象外となる派遣業務は?抜け道はあるのか?

派遣の抵触日の対象外となる業務というものは、存在しているのでしょうか。気になりますよね。見ていきましょう。

「対象外となる26業務」は派遣法改正にともない廃止へ

実は、以前は「専門26業務」という分類が存在していました。26業務とは、機械設計やソフトウェア開発、秘書、通訳、翻訳といった専門性が高く、高い技術を必要とする業務が対象となっていました。ですが、2015年の派遣法改正で、この26業務という分類が撤廃されたのです。

撤廃された理由としては、他の業務と比較して特別専門性が高いとは言えないと判断されたこと、また制度として複雑であったこと、そして雇用期間制限がないことで、半永久的に優秀な派遣スタッフを雇用するというのは、そのスタッフにとってマイナスであると判断されたことなどがあげられます。

派遣社員として、優秀な人材を抱え込んでおこうという派遣先企業への対抗措置といえるでしょう。ですから、現在は派遣の抵触日の対象外となる業務というものは、存在していません。

派遣の抵触日に抜け道はあるの?

実は、派遣の抵触日には抜け道が存在しています。「抜け道」というと、少しずるい印象かもしれません。ですが、抜け道というよりも正攻法といえる方法となります。それはどのようなものなのか、具体的にみていきましょう。

直接雇用への道

雇用安定措置を使って、派遣スタッフは派遣先企業への直接雇用依頼を、派遣会社にお願いすることができるようになりました。必ずしも直接雇用にはならないかもしれませんが、これまで勤務し、仕事にも慣れている職場。できれば継続して勤務したいものですよね。派遣先企業にとっても、まったくの新人をまたゼロから育てあげるよりも、3年勤めてくれた派遣スタッフの方が即戦力となります。

即戦力どころか、派遣先の社員と同等の席になる業務を任されているケースも。ですから、交渉次第で直接雇用になることができるチャンスは、十分にあるのです。「正社員になりたい」「直接雇用になりたい」と考え始めたら、日ごろ、自分が担当している仕事内容をメモに残してみることから始めましょう。そして、雇用契約書の業務内容と照らし合わせて、今自分がまかされている仕事内容がステップアップしているものであれば、それは交渉材料になり得ます。

ただ単に、派遣会社に「直接雇用を希望しています」というよりも、派遣会社にも、派遣先企業にも自分がいかに戦力になっているかを伝える工夫をすることが大切なポイント。「直接雇用になりたい」と思った時は、自分がいかに職場で役立っているかを客観的にメモなどに残し、まずは相談してみましょう。

正社員になると、賃金はもちろんですが、福利厚生や賞与などの待遇も大きく変わってきます。「敢えて派遣のまま、仕事を続けたい」という方も、もちろんいらっしゃるでしょう。
ですが、正社員を視野に入れている場合は、抵触日というのはひとつのチャンスです。抵触日を迎える前には、しっかりと準備を整えて、派遣会社に交渉してみることをおすすめします。

派遣の抵触日を違反した場合の罰則は?

派遣抵触日を違反するということは、派遣法を違反したことになります。以前の派遣法では、派遣先企業に対する罰則はありませんでしたが、現在の派遣法では派遣先企業にも罰則が適用されるようになりました。違反が判明した場合、まずは行政指導が行われ、それでも改善されなかった場合は罰則が科されます。

行政指導を行われた時点で、派遣先企業が派遣スタッフを直接雇用すれば、それは「改善された」という認識となります。ですから、これは、遣スタッフを守る制度といえるでしょう。もちろん、直接雇用されるか否かを決めるのは、派遣スタッフ自身です。直接雇用といっても、正社員に限らず、契約社員、パートタイマー、アルバイトなどさまざまな働き方があります。

派遣先企業から提案される直接雇用の就労スタイルが、正社員とは限らないということ。
提案された働き方が自分が希望する就労スタイルでない場合は、よく検討した方がいいでしょう。

派遣スタッフサイドに科される罰則ではありませんが、違反状態にあることに気づいたら速やかに派遣先企業もしくは派遣会社に相談することが大切です。ただ、派遣先企業や派遣会社がそれを承知で派遣を継続しているケースも、ごくまれにあります。

そうなってしまうと、派遣会社も派遣先企業も、信用に値しない企業と考えた方がいいでしょう。信用できない相手に相談したことが、マイナスに作用してしまうという恐ろしいケースも。不安を感じたら、労働基準監督署などに相談するのも一つの方法といえるでしょう。

労働者派遣法改正に伴う派遣抵触日に関する変更点

労働者派遣法は、2015年に行われた改正が最新のものとなっています。最新の改正では、6つの項目に関して改正が行われました。ここでは、改正が行われた項目を見ながら、派遣の抵触日に関してどのような変更があったのかをみていきましょう。

2015年の労働者派遣法の改正で変更となったのは、以下5項目です。

○すべての労働者派遣事業が「許可制」に
○「キャリアアップ措置実施」の義務
○雇用安定を図るための改正
○均衡待遇推進
○期間限定に関わる改正

この5項目の中で、抵触日に関する項目は「雇用安定を図るための改正」と「期間限定に関わる改正」のふたつとなります。
まずは、雇用安定を図るための改正について、詳しく見ていきましょう。

「雇用安定を図るための改正」とは

2015年の改正において「同一の組織単位に、3年継続して派遣される見込みがある人に対しては、派遣期間終了後に雇用継続の為の措置を行わなければならない。1年以上3年未満の勤務が見込まれる人に対しては、努力義務となる」という義務が課せられるようになりました。

雇用計測のための措置とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。具体的にみていきましょう。

1)派遣先企業に対する直接雇用の依頼を行う。
2)派遣期間終了後には新たなる派遣先を提供する。この場合、派遣先は経験を活かすことができる合理的なものに限る。
3)派遣スタッフ以外の就労スタイルで無期雇用提案
4)そのほか、安定している雇用継続を図る措置を行う。具体的には、雇用契約中に教育訓練を実施する、紹介予定派遣を提案するなど。
5)項目1を実行し、直接雇用に結びつけることができなかった場合は、2〜4いずれかの措置を行わなくてはならない。

このように、派遣スタッフに対して雇用安定を図るための改正が行われました。

さらに、雇い入れ努力義務というものも、派遣会社に発生しました。
これは、派遣スタッフを受け入れていた部門に、派遣スタッフの契約期間終了後、新たにスタッフを雇い入れる場合、それまで勤務していた派遣スタッフを雇うよう努めなければならないという義務です。

一方で、派遣先企業に対しても、募集情報提供義務というものが発生しました。
これは、求人を行う場合には募集情報を周知しなければならないというものとなります。
説明だけ読んでいても、いまひとつよく分かりませんよね。
具体的に例を出してみましょう。

たとえば、もうすぐ抵触日を迎えるAさんという派遣スタッフがいたとします。
派遣先企業では、Aさんが契約終了した後には、派遣スタッフではなく直接雇用となる正社員の募集を予定しているとしましょう。
こういった場合、派遣会社はそれまで派遣先企業に勤めていたAさんを優先的に採用してもらえるよう、派遣先企業に働きかけなくてはいけないというもの。
これが、「雇い入れ努力義務」というものになります。

そして、派遣先企業は、正社員募集を掛ける場合、ほかの社員に隠してはいけません。
これが、「募集情報提供義務」というものになります。
派遣スタッフが安定した就労をすることができるよう、さまざまな面で取り組みが行われ、このような改正が実施されたのです。

上記の内容から見て「派遣の抵触日」って結局どうなの?

「派遣の抵触日」という言葉だけ先行してしまい、その実態はよく理解できていなかったという方も、ご理解いただけたでしょうか。言葉としては、少し強いものとなりますが、派遣スタッフにとってマイナスとなるものでは決してありません。派遣の抵触日というものが、派遣スタッフのためを考えて設定されたものだということを、理解していただけたのではないでしょうか。

同じ職場で、長く仕事をしたいという場合は、この抵触日はありがたくない存在と感じられるかもしれません。ですが、派遣スタッフ一人ひとりの可能性を広げるという意味では、とても有効なルールなのです。

派遣の抵触日は「派遣スタッフの味方!」

抵触日を迎え「さらなる高みを目指したい」「もっといろんな職場を経験したい」「スキルアップをしたい」という場合は、その派遣先から離れ、新たなるお仕事に挑戦するのもいいでしょう。

抵触日を目前に控えて、これからも同様に安定した職場で、落ち着いて仕事をしたいと思うような場合は、早めに派遣会社に相談して正社員への道を打診してみるのもいいかもしれません。

派遣の抵触日は、派遣スタッフの不安定さを払しょくすることを目的として定められた制度です。派遣スタッフとして仕事を続けるということは、さまざまな業務にチャレンジすることができるチャンスがあるということ。

次にどのような仕事を選び、将来的にどのような働き方をしていたいのか、自分でよく考えて、明確なビジョンを持つようにしましょう。その上で、派遣会社の担当スタッフに相談することで、今後の方向性が見えてくるはずです。

派遣の抵触日は、派遣スタッフを守るだけでなく、仕事に対する意識を高めるとてもよいきっかけを与えてくれる制度といえるのではないでしょうか。「とりあえず派遣で仕事をしてみよう」そんな気軽な気持ちで仕事をスタートさせた人も、環境が許せば、そして本人に意思があれば、正社員への道も拓けるという制度です。また、現状は正社員は厳しいけれど、ゆくゆくは視野に入れたいと考えている人にとっても、この制度はありがたいもの。ただ、正社員になるということは、それなりのモチベーションや覚悟も、もちろん必要です。

責任が伴うことも、出てきます。そういったことをすべて理解し、気持ちを固めた上でこれから先の身の振り方を考えてみましょう。雇う側にも責任があるように、雇われる側にも責任感が必要なのは、当たり前のこと。気持ちが固まったら、制度や環境はもう用意されています。あとは、しっかりとその方向に向かって日々仕事に取り組みましょう!

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